「月曜から夜ふかし」を忙しいバークレー生活の中で欠かさず見る理由

       
2352 VIEWS
CATEGORIES:uncategorized
IMG_6102

Taku

Sep.28.2015 - 01:25 am

みなさんは「月曜から夜ふかし」(日テレ)という番組をご存知だろうか。

日本ではその名の通り月曜の夜中にやっている番組なのだろうが、もちろんアメリカに住んでいる僕がどうやって見ているかはここでは伏せておく。

 

「月曜から夜ふかし」とは

さて、いったいどんな番組なのかというと、出来上がりの悪いアイドルとして最近一躍脚光を浴びている関ジャニ∞の村上信五と、じわじわと近年テレビ業界を手中に収め、視聴率を裏で握っていることで知られるマツコデラックスという奇妙なコンビが、日本のあらゆる時事問題を取り上げてコメントしていく番組である。

時事問題といっても別に真面目な問題を取り上げるのではなく、全くもってくだらないことばかりである。

 

例えば、様々な業界の暗号について調べた件では、中華料理チェーンの「餃子の王将」の厨房では餃子一つのことを「イーガーコーテル」と呼ぶことを取り上げ、その他にも警察が使っている暗号やトラック運転手の暗号など、知っていそうで意外にも知らないことをさらっと紹介していくのである。(2015年8月31日回)

他には東京で最もポイ捨ての多い区をランキング化し、マツコが彼女なりのアナリシスを当てはめていく、なんてのもあった。当てずっぽうなアナリシスなのだが説得力があって、こっちも「そうか」と乗せられてしまうのである。(2015年8月31日回)

昨年から恒例のパーティーピーポー企画では、今年も僕の出身地、湘南の由比ヶ浜や三浦海岸などで海水浴を楽しむ人々を中心に川柳を詠んでもらい、彼らの阿呆らしさをおもしろおかしく世にさらけ出すのである。単にナンパする・される目的で来ている若者・中年や、単に楽しむことを目的としたバカ丸出しの若者グループ、家族づれやその他のなんともいいまとめられない日本の社会にうずくまる人々、多様な人々が集まっているという意味でなかなかアツいのである。(2015年8月31日回)

そして忘れてはいけないのが様々な事柄について都道府県を取り上げる件である。埼玉出身の方には大変恐縮だが、この番組を通して埼玉貧乳問題がなかなかの現実的な社会現象であることが分かった。また京都人が琵琶湖の水を飲んでいるくせに滋賀県のことを見下しているだとか、大阪人によると京都人は気取っていていけすかないだとか、神奈川人である僕からすれば、なんとまあお粗末な関西地方事情だこと、と高をくくれるわけである。

この通り大変くだらない番組である。

 

「くだらない」が僕を魅了する理由

しかしである。

僕には魅力的な番組でならない。

僕にはこの番組が今の日本社会というものを象徴しているように見えてならない。

このくだらなさが今の日本の社会そのものであるように見えてしまう。

IMG_6096.jpg
現代日本社会は大変複雑である。東京23区の小さな土地だけでも900万人の大変多様な人々がうごめいているのである。山手線の席の隣に座った詳細不明の人間がいったいどんな価値観を抱き何を思って暮らしているのか、大変興味深いながらも僕が知ることはまずない。あの都市では人々は隣接しあいながらも、常に社会というものに対して自分がきれいに収まったパーツであると言いたげにおとなしくしているのである。

でも事はそう簡単ではなかった。人々は自分なりの居場所を常に求め、自分と社会の中での個人の確立に日々尽力を注いでいたのである。ある者はゲイバーを営み、ある者はガングロ喫茶で抜群の漢字の知識を活用し、またある者は早まった時代の産物との対峙に余生を楽しむ。

そうかこれこそが日本社会の根底にそびえる馬鹿力なのだと僕は納得する。

パーティーピーポーを見るたびに思うのである。日本にまだ希望はあると。

日本は世界から見ればとんでもなく平和で、何も考えないで苦労しなくとも楽に暮らせて、逆に何もしない方が楽に暮らせて、なんて単調な場所なんだと思っていた。

しかしまだ日本には存在するのだ。一種の狂気に似た、いや破壊力だろうか創造力だろうか。そしてこれからもそれは形を変えて社会にあらゆる影響を及ぼすのである。

それは時代の逆説だろうか。いや僕が知らないうちに時代はすでに方向を変えてしまったのかもしれない。

日本社会は今、大変くだらないのである。

そしておもしろい。

 

今期から編集長をやらさせてもらう事になりましたTakuです。大変久しぶりの記事になってしまいましたが、今までのインタビュー記事とは少しテイストの違う記事を書こうと思いパブリッシュまでかなり時間がかかってしまいました。これからもなるべく頻繁に記事を書こうと思いますので、なにとぞよろしくお願いします。

       

Taku

UC Berkeleyで数学と哲学を専攻しています。大学生活はなるべく勉強から離れて音楽に夢中になったり小説を読み耽ったりしようかと甘いことを考えている2年生です。どうぞよろしくお願いします。ご感想・お問い合わせ大歓迎です:takut12[at]gmail.com