再充電が要らないモバイルバッテリー!?新時代到達か ーFuel Rodー

       
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FUJI

Oct.29.2015 - 06:14 pm

 

 

 

「電池が無い」

 

 

 

 

ー彼はそう叫んだ。失意と絶望の彩られたその瞳は、掌に映し出された暗き底へと飲み込まれていく。握る意志が失われた左手からは鞄は滑り落ち鈍い音を立て、バランスを失った身体からはネクタイ、ワイシャツ、ズボン、それらがまるで生きているかのように崩れ去っていく。多くの人々が珍奇の目を持って通り過ぎていく中で、最早ただの鉄くずになった「あいふぉん」を握りしめ、彼は失われた日常をただ想った。それだけしか出来なかった。

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…上のような「やってしまった」状況は誰しも一度や二度は経験したことがあるでしょう。そう、今やスマートフォンやタブレットを持ち歩くのが当たり前の時代の中、現代人が最も恐れることの一つ、「充電切れ」というやつです。読書をしたり、ゲームを遊んだり、音楽を聞いたり、地図機能でカーナビしたり、辞書で英単語を探したり、時事ニュースを見たり、スケジュールを管理したりー そんな日常を彩る素晴らしい機能の数々もOut of Batteryになれば、宗派を証明するためだけのシンボルか液体窒素に入れてハンマー・銃で壊すくらいしか使い道は無くなります*1。

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そんな状況に陥らないためにも充電器を持ち歩き出勤先やカフェで人の目を気にしつつコンセントを探したり、モバイルバッテリーを持ち歩いたりと、読者の皆さんは日々工夫を凝らしていると思います。

しかし、現実は残酷なもので、移動先に必ずしも充電できる場所があるとも限らないですし、あっても許可をもらえるとも限りません。携帯充電器はそれらの問題を解決できますが、使用するとあっという間になくなってしまいます。その割には、何倍もの時間を充電に毎日費やさなければなりません。

筆者もそう言った問題によく悩まされていました。論文やプロジェクトの作業はカフェや図書館で ラップトップ(ノートパソコン)を安定したWifiを携帯で供給しながら行うのですが、一日中行えば無論バッテリーは無くなっちゃいます。当たり前ですよね。だから、充電器やモバイルバッテリーは必須なのですが、充電できる席を確保できなかったり、意外と充電を忘れてしまったり、接続不良で充電していると思ってたらしてなかった、なんてことで作業を中断せざるを得なかったことが度々ありました。特に大事なワークをしている時に限ってよくそういうことが起きたりするんですよね。

I NEED TO CHARGE

そんな小さなフラストレーションを蓄積していた時に、たまたま友人の卒業パーティー先で”Fuel Rod”という大変興味深いモバイルバッテリーを見つけました。手に収まるぐらいのサイズに中々可愛らしい外見というだけで、一見そこらに溢れているモバイルバッテリーと何ら変わりようが無いように見えましたが、一つの点において他社とかなり変わっていたんですね。それは「充電」です。それも「モバイルバッテリー自体」の充電です。

通常、普通のモバイルバッテリーを使い終えた後どうするのでしょうか?無論、再利用のために充電しますよね。使うたび捨てるといったゴー☆ジャスなかたは中々おられないでしょう。では、どこでするのでしょうか?運が良ければ職場やカフェでできますが、ほとんどは家ではないでしょうか?では、どのくらい時間がかかるのでしょうか?容量にもよるとは思いますが、10000mAh程度なら数時間でしょう。大概の場合はその日のうちに再利用することも無く、明日に使用を先送りになるでしょう。

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では、”Fuel Rod”はどうでしょうか?一連の流れを見てみましょう。まず、Fuel Rod専用の自動販売機に向かい、Fuel Rodを$20(約2000円)で購入します。ぽこんっと出てきた小さなカプセルを覗くと、中にはFuel Rod本体とAppleとAndroidのスマートフォン用のUSBケーブルがはいっています。そこで充電切れ一歩手前のiPhoneを早速フル充電し、ほとんどの容量を使っちゃいます。でも、まだiPadが残っています。どうしよう、再充電したい。では、Fuel Rodを自動販売機に入れます。「Swap!」新しいフル充電された電池が手に入ります。iPadを充電します。

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「!?」

筆者も「!?」となりました。そして、あなたは次にこう言うでしょう、「でも無料じゃないんでしょ?」と。そんなあなたに首をすごい速さで回転させながら僕はこう言います、「無料です」と。下の動画で一連の流れを見てください。

「!?」によって発生した引力に身を任せて創業者のかたに連絡を取ると、快くインタビューをさせて頂くことになりました。お話を聞くと以前ある大手でエンジニアとして働かれていたのですが、充電器が充電されなきゃいけないのはクールではない、とある日思い、 Power As a Service (PAAS)の志を元に起業するにまで到ったということです。

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このFuel Rodは起業直後にプロダクトのクールさと可能性に目をつけた方々の支援を経て、すぐにアメリカとスイスに展開されていきました。専用自動販売機の主な設置場所は空港や会議場(日本でいう幕張メッセのような場所)といった人通りが多く安全なロケーションで、さらにスイスでは大手携帯会社”Orange”と提携しており、各携帯ショップに自動販売機の設置または販売が行われています。今では、スウェーデンと中国での地方政府や大手企業との契約まで話が進んでいるという、すごい躍進ぶりです!

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電子機器の技術発展により高性能化と小型化が進み、より日々の生活の中の一部として携帯されるようになりました。より電気が身近に、そしてさらに身近な存在に、と人々が求めているそんな時代の流れの中、Fuel Rodは世界、特に日本の電気環境を変革する可能性を秘めています。なぜ特に日本なのか?それは日本とは違い、アメリカ、中国、スウェーデン、スイスを含むEU諸国、それらの国々では 設置場所を限定せざるを得ないという事実があるからです。なぜそうせざるを得ないのか?その答えはとてもシンプルなもので、安全性です。日本では1ブロックごとに複数の自動販売機を設置しても盗まれることは稀なことに対し、多くの国々では野外に設置するということは「盗んでください!お願いします!」と勝手に脳内自動翻訳が実行される一部の人々に、盗まれて(譲与されて)しまうことに近いものであるからです。だからこそ、日本ではFuel Rodの持つポテンシャルが最大化されると思うのです。空港から会議場といった限定された場所だけではなく、教育施設、電車等の交通機関、コンビニエンスストア、タバコ屋の前までと広く展開することが可能です。現在はスマートフォンやタブレットに限定されていますが、いずれはより大きな容量になり、より大きな電子機器に対応していくとのことです。

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もしFuel Rodがあらゆるところへあるようになったら、何時何処でも気兼ねなく電子機器を使い効率性を最大化できるのが当たり前になり、最早「電池切れ」という言葉が死語になる時代が来るのでしょう。周りに電気が溢れている、そんな環境が当たり前になった時、僕たちは次に何を求めるのでしょうか。とても楽しみです。

 

 

{ 使用リンク}

*1 iPhone6s vs Liquid Nitrogen

*2 Cute Baby Boy Wallpapers

 Fuel Rod

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  • 藤乃巻 龍之介
  • Ryunosuke Fujinomaki
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FUJI

UC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)にて哲学を専攻しています。同大学院の認知神経科学と教育心理学部門にて研究を行っています。現在は休学し、法文書翻訳と複数スタートアップに参加しています。