ジブリ的に解説!今、UCバークレーでランドスケープデザインを学ぶ価値とは。

       
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junpei

Sep.01.2016 - 03:46 pm

初投稿のJunpeiです。日本で土木を学んだ後、ここ、カリフォルニア大学バークレー校(以下UCバークレーと表記)でランドスケープデザイン(景観構築)を学び始めて2年目の学生です。

今回は初投稿ということで、なぜ私がUCバークレーの学生としてランドスケープデザインを学んでいるのか、まだあまり知られていないランドスケープとはどんなものなのかをジブリアニメ的な解説を挟みつつ書いていこうと思います。

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[UCバークレー大学 South Hall] photo-image:https://www.flickr.com/photos/n8agrin/




ランドスケープデザインってなんぞや?

さて、そもそもランドスケープデザインってなんぞや、という話なのですが、英語ではLandscape Architectureという分野です。ランドスケープ ( Landscape )は強いて訳せば景観、アーキテクチャー ( Architecture) はご存知の通り建築ですが、そもそもは「構築する」がその本質的な意味であり、総合すると景観を構築する学問というところでしょうか。forest-54555_1920

実質的には建物をデザインするアーキテクチャー ( Architecture ) に対して、ラウンドスケープアーキテクチャー( Landscape Architecture ) は動植物や水システムなど自然環境に関する専門知識を用い、公園や広場、庭園など、主に「屋外空間」をデザイン(計画・設計)する職能と言えます。

なぜこのような職能が必要かと言いますと、『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』を見ていただければわかる通り、人間は自然と離れては生きられないためです。これは怪しい信仰的な話ではなく、人間という種の身体的特性が、それほど早く進化しないということです。

休息場所としては自分の身が隠せ、かつ視界が確保できる木陰のような空間を好みますし(レストランで端の席が落ち着くのもそのせい)、水面を見ると近づきたくなります。人間が動物として生きていた時代に染み付いた身体感覚が今日も私たちの中に残っているということです。

そういった人間の特性や自然の生態系に関する科学的知見に基づいて、快適な都市環境をどう戦略的にデザインしましょうか、というのがランドスケープアーキテクトの役割になります。同時に、人間社会に様々な利益をもたらす自然環境をどう保全、活用していくかというのも重要なテーマです。

”緑豊かな街を作る”というのは環境派のきれいごとではなく、我々人類の理にかなった生存戦略なのです。




なぜランドスケープデザイナーを目指すか?

さて、前置きが長くなりましたが、筆者は日本の大学で土木工学を学んだ後、UCバークレーにたどり着きました。

『平成狸合戦ぽんぽこ』『耳をすませば』の舞台ともなった東京西部の多摩ニュータウンの、開発された住宅地と緑豊かな多摩丘陵の境界で育った筆者は、幼い頃から河川環境に興味があり、日本の河川をもっと魅力的なものにしたいと考えていました。

そして、日本の大学の学部課程で土木工学の中の一分野である景観分野を、修士課程で河川工学を学ぶ中で、ランドスケープ デザイナーが積極的に河川空間のデザインに関わっていく時代だと考えるようになりました。

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歴史的に、日本では河川管理の担い手は河川技術者であり、デザイナーが河川整備に関与する例は限定的でした。しかし河川の自然環境そして公共空間としての価値が見直されている今日、治水・利水に関する技術的な要件を満たしつつ、どうそれを人々の暮らしと結びつけるか、公共空間としての価値を生み出していくかという計画・設計のプロセスを考えると、日本の河川をもっと魅力的なものにするためには河川技術を理解しエンジニアと議論できるランドスケープ デザイナーの存在は欠かせないと考えたわけです。




最後に、今後もデザイナーの卵という視点から、デザインスクールでの授業の様子や、個性的な教授陣、生活スタイルの違いで感じるアメリカと日本の価値観の違いなどをはっちすたじおの記事を通して、お伝えできればと思います。どうぞ宜しくお願いします。

       

junpei

日本食と川をこよなく愛するちょっと古くさいタイプの男がサッカー漬けの大学生活の後にランドスケープデザインに惹きこまれUCBerkeleyにたどり着いた。